災害後も生き残る屋上緑化は可能か?
四季彩4キリンソウ 酷暑・豪雨を想定した136日間耐候性試験
はじめに
屋上緑化の評価は、平常時の景観性や遮熱性能だけでなく、「災害発生後にどれだけ生存できるか」という視点が重要になっています。
実際の近年、台風の大型化や線状降水帯による集中豪雨、さらには猛暑日の増加など、屋上緑化を取り巻く環境は年々厳しさを増しています。緑化現場では、豪雨や暴風により培土が流出し、植物の根が露出する被害が発生します。このような被害を受けた場合、多くの現場では、
- 防風ネットの再設置
- 培土の補充
- 枯損苗の交換
- ドレン清掃
などの復旧工事が必要となり、施工時と同等のコストや工数が発生することもあります。
さらに、被害発生から数か月後に問題が発見されるケースも少なくありません。
そのため、災害発生後から復旧工事までの期間に植物が生存しているかどうかは、維持管理費や修繕費を大きく左右する重要な性能といえます。
災害に強い植物に求められる性能とは
一般的に薄層屋上緑化で使用されるセダム類やキリンソウ類は発根能力が高く、適切な環境が整えば再生能力を持っています。
しかし再生の前提となるのは、
「根が露出した状態でどれだけ長期間生存できるか」という点です。
つまり、耐暑性、耐乾燥性、耐寒風性だけでなく、
「災害後の生存力」も屋上緑化植物の重要な性能指標と考えられます。
実証試験
根が露出した状態で何日生存できるか
試験目的
豪雨や強風により培土が流出し、根が露出した状態を想定し、四季彩4キリンソウが自然環境下でどれだけ生存できるかを検証する。
試験条件
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項目 |
内容 |
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植物品種 |
四季彩4キリンソウ |
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試験場所 |
岡山県津山市 |
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設置条件 |
コンクリート面上に放置 |
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環境条件 |
完全露天・自然環境 |
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試験開始 |
2024年3月30日 |
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試験終了 |
2024年8月13日 |
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試験期間 |
136日間 |
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試験方法 |
3~4か月育成したポット苗の培土を除去し、根を完全露出させた状態で放置 |
試験経過
試験開始
2024年3月30日
根部の培土を除去し、コンクリート面上へ設置。

38日経過
2024年5月8日
生存を確認、

77日経過
2024年6月16日
根が露出した状態にもかかわらず正常生育を継続。

試験終了2024年8月13日 136日経過
試験苗が正常に成長するか確認植付
136日露天放置苗が成長するか植え付けして確認する。



生育試験終了
2024年9月29日
136日間の屋外放置後
の植栽生育試験を終了。
試験体を土壌へ植え戻し、正常に生育状況を確認した。

まとめ
本試験は単なる耐乾燥試験ではありません。
豪雨や台風による培土流出、施工後の維持管理遅延、災害発生後の復旧待機期間など、実際の屋上緑化現場で発生するリスクを想定した実証試験です。
もし災害後に植物が生存していれば、
植替え数量の削減
植替え数量の削減
復旧工事費の低減
景観回復期間の短縮
維持管理負担の軽減
につながります。
特に公共施設、物流施設、工場、大規模商業施設など、管理面積が大きい建築物ほど、その効果は大きくなります。
屋上緑化の価値は、平常時の景観や温熱環境改善だけではありません。
異常気象が常態化する時代においては、
「災害を受けても生き残る植物を選定すること」
が、ライフサイクルコスト低減と持続的な緑化維持の重要な要素になります。
今回の試験では、四季彩4キリンソウが根を露出した過酷な条件下においても長期間生存できることが確認され、災害リスクを考慮した屋上緑化植物として高い可能性を示しました。
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